<第27回投稿 5月>

田舎推し

中津川市教育委員会 教育委員 橋本あみる

 私は人口600人余りのよくある田舎に住んでいます。合併前は村だった地区です。若者は少なく自然が多い、店は少なく空き家が多い。どこへ行くにも親の送迎。都会の人からは憐れみ交じりに驚かれますが、ここではこれが標準。大人になって自動車を持てば1人でどこへでも行けます。調べもの、買物、コミュニケーション、仕事、娯楽ではインターネットの恩恵を存分に受けます。私は都会で9年間暮らしたことがありますが、田舎を嫌になるほど便利さの虜にはなりませんでした。そして今、田舎に戻り15年が経ちます。自由や便利さ、刺激を失ったとは思いません。私は自由で刺激的な日々を送っています。今どきの田舎は都会の人が想像するほど不便でも退屈でもありません。むしろ誘惑が少ない分無駄遣いをしません。疲れていても外食が出来ない為食事を作ります。コンビニが無い為ふらっと立ち寄って新作スイーツを買いません。仕事終わりに勢いで飲みに行かないから記憶にない出費が無く家族との時間を沢山持てます。周りに人が少ない分、刺激を受けて共に成長しようと思う仲間や憧れの先輩を見つけることは難しいけど、その分「私はどうなりたいか」と自分と向き合うことが出来ます。
ただ一つ都会の方がよかったことは、気楽であることです。ここでは田舎(地元)のさまざまな課題は自分のこととして捉えます。都会にいた頃は自分と家族のことだけ考えていればよかったのに、今は地域のことや近所のお年寄りの未来が気になって気になって。どうしたらいいかと考え仲間と一緒に試行錯誤する毎日です。苦しい時もあるけどここに住んでいる以上やらなくてはならないことだと感じています。
これが田舎に住む人間のリアルです。
それでも私は田舎(地元)推し。

 

「あこがれる」ことをやめないで!(オジンのたわごと)

        輪之内町教育委員会 教育委員 市橋 肇

 今年も「別れと出会い」の季節、卒業式と入学式の3月、4月を迎えます。子供も大人も憧れや目標をもって次のライフステージにスタートする時期です。
私は おかげさまで15年前に定年退職して帰郷した野球好きの古希のオジンです。帰郷した頃に高校野球で活躍している大谷翔平選手が気がかりになりはじめて、ここ数年は朝のル-ティンとしてワクワク、ドキドキしながらMLBでの「オオタニサン」のニュ-スや野球中継を見ています。
大谷さんは、ご案内のとおりNPBどころか野球最高峰のMLBでも 、100年前のベーブルース以上に活躍する「今世紀のスーパーヒーロー」です。大谷さんは 二刀流、MVP、ホ-ムラン王等々、枚挙にいとまがない記録づくめの輝かしい成績を達成し続けています。
私が、最も感心、感動していることは次のとおりです。高校1年生で花巻東高校野球部監督に出会い、優れたご指導があって、自身のライフプランとそれを達成するために緻密、的確なマンダラチャ-トを作成し、世界の舞台で、その内容に基づき日々努力、精進を継続していることです。そのマンダラチャ-トには、野球のフィジカルやテクニカルの事柄だけでなく、「運」、「人間性」、「メンタル」の事柄があって、まさに野球道を表しています。
昨年3月にはWBC決勝戦前に「今日は憧れるのをやめましょう・・・」とチ-ムを鼓舞したり、今年は全国の小学校に「大谷グロ-ブ」を届けたり、折に触れて反省、労い、感謝している言行があります。これら我利我欲のない人格、品格が、世界中でさらに多くのファンに愛される由縁でしょう。
ご縁があって、私は教育委員会の告辞を伝達するために、ここ数年前から母校の小学校卒業式に、60年前からの自分自身を反省しつつ出席しています。卒業生の皆さんに、それぞれが不動の自己有用感、フロンティア・スピリット(開拓精神)を持って、「思いきり憧れることをやめないで」、大好きな進路でショートカットすることなくチャレンジし続けていって欲しいと思います。ご両親からの優れた身体と才能、家族や周囲の人々からの激励、先生方や諸先輩方からのタイムリーな機会、動機づけ、アドバイス提供、等があって、さらに世界的にも地運、人運、時運もよろしくて、憧れを獲得していってくれると期待しています。そして、きっといつか「憧れられる人(憧れてもらう人)」になってくれると信じています。